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飛島のじゃがいも「ごどいも」との出会い

平成13年頃だったろうか。酒田市内のある居酒屋で「おとうし」で出されたじゃがいもを食べて非常に驚いた。
それは、あまりにもホクホクした甘さに「あれっ」と思ったからである。
私は出張のたびごとに土地の「肉じゃが」をできるだけ食べることにしている。
味付けは全国ほぼ共通しているが、じゃがいもの味だけは、その土地によって異なる。
私はじゃがいもには少しうるさい方の一人だと自分ながら思っている。

 

ママさんに「このじゃがいもはどこの産地ですか?」と聞くと、
「飛島のじゃがいもです。」と言うのである。
私は、また驚いた。
「どうして島なのにじゃがいもが・・・」と思ったのである。
普通ならば海産物類をイメージする。
それが農産物と聞くとミスマッチ的な発想がおもしろいから「なぜ海で島で・・・?」と聞き返したくなるのである。
ママさんに「このじゃがいもを入手する方法はないだろうか?」と聞いたところ、
「作付量が少ないため無理だと思います。」と言われた。
それ以来あきらめはしたものの、未だにその味は忘れられない。
それから5年後の秋、私は偶然に生産者の方と出会った。

 

全国の方々に飛島のじゃがいもを紹介したい旨を説明した。
ご婦人の方は快く引き受けて下さり、人手が年々少なくなっていくにもかかわらず、
作付量もなんとか無理をお願いして増やしていただいた。
おそらくふるさと創成にかける人との出会いだからこそ私の説明に理解してくれたのだと思う。
こうした出会いから全国の多くの方々にも、私の経営する最上川特産の産地直送という形で、
飛島のじゃがいもが知られるようになったのである。

 

兼高かおるさんが酒田におひな様を観にこられた時も、飛島のじゃがいもの料理方法を
アドバイスしていただいた。
それは、じゃがいもに特殊のチーズを包んでスイス料理風にして、
白ワインと一緒に食べるのもおいしく食べる一つの方法だと教えてくれたのである。
その後、兼高かおるさんは飛島に来られじゃがいも畑を見ていただいた。

 

NHKテレビ「堂々日本史」で”伊能忠敬の日本地図”が放映(平成10年6月16日)され、
日本最初の実測地図を作製した江戸中期の地理学者伊能忠敬(いのうただたか)が
日本でただ一ヶ所だけ行っていない場所があるという。
それは、飛島だけだと紹介していた。伊能忠敬が行きたかったが行っていない飛島に、
まさかホクホクしたおいしいじゃがいもがあるということを
ほとんど知られていないこともミスマッチの一つなのだろうか。
この情報も兼高かおるさんに聞いて知ったのである。

 

最上川船下り義経ロマン観光
芳賀由也

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